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Justus Kreuels - 6. April 2020

職務発明

職務発明 対 自由発明

従業者が発明を行った場合、まず第一に、それが職務発明であるか自由発明であるかを明確にしなければなりません。従業者の発明が雇用期間中に行われ(営業時間外において発明が行われたとしても)、その発明が企業の業務範囲に属する場合、その発明は職務発明とされます。

発明が従業者の業務経験から生じたものではなく、使用者の業務範囲とは直接的な関連が無い場合、自由発明と言います。自由発明の場合、発明を企業で実施するか、ライセンス供与をするか、または譲渡するかは、発明者の自由です。

ただし、自由発明といっても、使用者は従業者の発明に対してかなり広範な権利を有することに留意する必要があります。原則として、従業者は自分の発明が職務発明であると想定しておいた方がよいでしょう。従業者が発明を自由発明であるとする場合、従業者と使用者間で発明が自由発明であるという取り決めをするのが賢明です。

職務発明で注意すべき点

職務発明は、特許または実用新案によって保護することができます。このための前提条件は、新規性、進歩性、および産業上の利用可能性です。 従業者が発明を行った場合、まずこのことを使用者に報告しなければなりません。使用者はこの報告の受けたことを、従業者に対して遅滞なく確認する義務を有します。

発明が職務発明である場合、使用者は4か月以内に、発明を自由発明と認めるか、または従業者の発明に関心があるかどうかを書面で通知しなければなりません。使用者が従業者の発明の権利承継を希望する場合、産業所有権登録等の義務が生じるケースが多く、このための費用も発生します。ただし、必要に応じて、使用者と従業者間で契約書を交わし、義務に関する規定を変更することも可能です。

使用者が従業者に帰属する発明を実施する場合、従業者には、従業員発明法に基づき、報酬請求権等の権利が発生します。発明者に対する相当な対価の支払いは、職務発明でもっとも問題となる可能性が高いテーマです。

原則として、発明に係る権利を承継した使用者は、企業として、発明の取り扱いについて自由に決定することができます。従業者には、企業が発明をどのように実施するか、または実施しないかを決定する権利はありません。たとえば、従業者が発明は会社で実施すべきであると考えている場合でも、使用者は発明の権利を譲渡する、ライセンス供与する等の決定ができるのです。

従業者発明法

従業者発明法に関する情報は3月30日付のブログ記事 従業者発明法をご覧ください。

Justus Kreuels:



ユストゥス・クロイエルス弁理士(ドイツ、および欧州)。 karo IP知財法律事務所の創立パートナー。2011年弁理士登録。ミュンヘン工科大学、およびアーヘン工科大学卒業、機械工学専攻。

主たる取り扱い分野は、モバイルテクノロジー、IoT、ロボット製品などの知財保護・代理人業務。ドイツのトップ大学2校で培った機械・IT関連知識を存分に発揮し世界中の発明家達の知財保護を担う。

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