メタバースと NFT
メタバースとは、企業とその製品マーケティングに新しく革新的な機会をもたらすことができる3D仮想空間です。
このオンラインの世界では、顧客はデジタルでアニメーション化されたアバターとして、デジタルの衣類、靴、アクセサリーなどを購入できます。 VR メガネを使用するか、拡張現実を使用し、メタバース アバターを自分で好きなように動かすことができます。
ここでは、NFT (非代替性トークン )が重要な役割を果たします。 NFT は、デジタルオブジェクトまたはアート等の仮想証明書です。ブロックチェーン上で記録されるため、偽造・改ざんが難しく、固有性を持たせることができます。 仮想商品のNFT については、2022 年 2 月のブログをご覧ください。
メタバースにおける商標権
仮想商品に関しては、新しいビジネス モデルが今後数年間で発展することが予想されています。これに伴い、デジタル空間における商標権も重要性を増していくでしょう。 商標出願人は、偽造・改ざん等を防止するため、可能な限り広範囲に商標権を取得する戦略を取ることが望まれます。
デジタル商品の保護には、仮想商品やNFTを商標登録することが今後興味深いオプションになる可能性があります。
猶予期間中の使用証明
商標権維持の法的要件を満たすために、商標権者は登録後 5 年以内に登録商標を導入および使用する必要があります。 これを怠ると、商標権が取り消される可能性があります。
仮想商品の登録商標が仮想空間で使用されていない場合、登録商標は取消される可能性もあります。
猶予期間中の使用証明の詳細については、ブログ 登録商標の使用証明をご覧ください。
第三者による商標出願の監視
メタバースの特徴である分散化、また、この仮想市場がどのように発展するかはまだ予測できないという事実により、市場では商標権者が商標権を侵害されるリスクがあると言えます。
たとえば、米国の裁判所で著名な企業間で紛争が発生しました。 スポーツ用品メーカーのNikeは、スポーツ シューズの画像を NFT として提供するメタバースマーケットプレイスを訴えました。 Hermès は、NFT マーケットプレイスを通じて Hermès 製品のデジタルアートを販売したアーティストを訴えました。
このように、登録商標の侵害リスクがあることが判明した場合、直ちに措置を講じることができるため、仮想商品および NFT の商標監視を行うことは重要です。
欧州連合知的財産庁 (EUIPO)
EUIPO での仮想商品および NFT の登録は、主にクラス 9、18、または 25 (「ダウンロード可能なソフトウェア/仮想商品」または「代替不可能なトークン」)、あるいはクラス 35、41 または 42(仮想製品のオンラインショップなどのサービス)で行われます。
EUIPO は「仮想商品および NFT 関連サービスは、確立されたサービス分類の原則に従って分類されるべきである」としています。[出展]
Matthias Rößler:

karo IPパートナーである、マティアス・レスラーは、RWTHアーヘン大学で機械工学を学び、2003年以来、ドイツおよび欧州特許弁理士として従事しています。特に大規模な特許ポートフォリオの管理、特許庁および特許裁判所における二国間の法的有効性手続きに関するアドバイスを行っています。