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Justus Kreuels - 10. January 2020

ブロックチェーンをめぐる欧州特許

欧州知財弁理士のクロイエルスです。

ヨーロッパ最大の日本人街デュッセルドルフと特許庁のあるミュンヘンで知財保護活動をしています。どの産業も担当しますが、IT、医療技術、電気工学などを扱う機会も増えてきました。旬の話題を皆さんに分かりやすくお伝えできればと思っております。


ブロックチェーンとは何ですか?

ブロックチェーンは、主に、お金、株式、その他の資産などの取引情報が、暗号化されたうえに相互に繋がった形式でまとまっているデータセットです。このデータセットという様式から、両当事者間の取引は永続的に効率的に記録できます。


トランザクションを実行する場合、トランザクションとユーザーの双方の状態を検証するアルゴリズムを使用するコンピューターのピア・ツー・ピア ネットワークに転送されます。トランザクションを確認した後、他のトランザクションと組み合わせて新しいデータブロックにパッケージ化し、既存のブロックチェーンに追加します。これは、トランザクションが完了したと見なされることを意味します。これらの各レコードまたはブロックには、前のブロックの暗号化セキュアハッシュ、タイムスタンプ、およびトランザクションデータが含まれています。


ブロックチェーン技術は、そのアプリケーションの可能性から幅広い業界から注目を集めてきました。これは、テック系の全ジャンルに渡りネットワーキングと情報記録の新しい道を開く可能性を秘めています。例えば、ブロックチェーン技術によってサプライチェーンをより理解しやすくすることができる、などです。


ブロックチェーン特許の申請

ブロックチェーン技術の特性を考えると、アルゴリズムに基づく特許の取得はソフトウェア特許の取得と同類です。すなわち技術的な性格を持っている必要があります。新規性と発明的なステップの要件は、技術的な性格に貢献する機能によって満たされなければなりません。

欧州特許庁によると、ブロックチェーンは、技術的な効果が認められ、かつ、暗号、コンピュータ、ネットワークに関するものであれば基本的に特許取得可能です。


ブロックチェーンを特許保護できるかどうかに関しては、弁理士はクライアントをサポートし、代替保護オプションについてもアドバイスします。ブロックチェーン技術に積極的な企業にとって、特許ポートフォリオの構築も戦略的な考慮事項となります。


特許出願件数の増加

ブロックチェーン部門の特許出願件数は2013年の時点では72件、そこからから堅調に推移していますが、この5年間で急激に上昇しています。2018年には、すでに世界中で4,673件の登録がありました(出典:イプリティクス)。

ブロックチェーン特許出願は、新興企業とすでに創業年数の長いテック系企業の両方から出されています。ほとんどの場合で米国に登録されており、次いで中国と英国が続いています。


しかし、欧州のブロックチェーン特許もこれから目を離せなくなるでしょう。欧州の様々なエリアでブロックチェーン系のスタートアップが進出しています。ブロックチェーン技術は、知的財産権の管理という点でも大きな可能性を秘めています。

私達の目標は、「ブロックチェーン上」のすべてのIP権を取得することです!

Justus Kreuels:



ユストゥス・クロイエルス弁理士(ドイツ、および欧州)。 karo IP知財法律事務所の創立パートナー。2011年弁理士登録。ミュンヘン工科大学、およびアーヘン工科大学卒業、機械工学専攻。

主たる取り扱い分野は、モバイルテクノロジー、IoT、ロボット製品などの知財保護・代理人業務。ドイツのトップ大学2校で培った機械・IT関連知識を存分に発揮し世界中の発明家達の知財保護を担う。

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