特許法の改正案(1/2020)
特許法改正の必要性を以下のように説明しています。「近年の高度デジタル化に伴い、手続きを簡素化し、適用法の規制を明確にし、不要な、あるいは古い規制を削除するために改正が必要である(以下省略)」 改正法案の主なポイントをご紹介します。
分離の原則
ドイツ特許法では、侵害手続きと無効手続きが明確に区別されており、異なる裁判所で扱われています。民事裁判所での侵害訴訟と連邦特許裁判所での無効訴訟は、互いに独立して行われ、 特許侵害訴訟は早期に解決するのに対し、無効訴訟は時間がかかるという点で大きく異なりました。
今回の法改正は、特に無効訴訟の早期解決に寄与するものです。 p>
差止命令
特許侵害における差止命令は通常、差止を受けた会社が最終製品を製造、提供、または販売する権利を失うことを意味します。 近年、特に自動車・通信業界では、価値連鎖がますます複雑化しており、サプライヤー数も急増しています。
改正法案は、特許が明らかに製品全体ではなく価値連鎖におけるのサブモジュールのみを侵害している場合、特許侵害の法的措置を軽くするというものです。
特許法の簡素化・現代化のための法案
2020年1月中旬に公表された連邦司法消費者保護省による法案 (BMJV)は今後の法改正に関する議論の基盤となります。
本改正では、特許法第82条(無効訴訟の被告が、これまでの訴状送達から1か月でなく、 2 か月以内(1 月延長可) に反論を述べる旨を規定)および83条(特許無効手続において連邦特許裁判所が、(当該特許権の有効性等の)その決定にとって特別に重要である局面等に 関して、当事者に速やかに通知する旨の規定)という新しい規定が追加されます。通知期間を6か月に設定することで、侵害訴訟に係る裁判所の判決から無効訴訟までの期間を短縮することになります。
これに加えて、特許法第139条(特許権侵害に対する差止請求権の規定)にも規定が追加されます。これは、差止めによる救済の際に裁判官により多くの裁量を与えるものです。
産業所有権保護に係る特許法の簡素化および近代化のための法改正が前回行われたのは、2009年でした。
特許法等改正に係る特許法の簡素化・現代化のための法律
2021年8月、特許法近代化法が施行されました。 詳細情報:特許法等改正に 係る特許法の簡素化・現代化のための法律(PatMoG)。< /p>
Matthias Rößler:

karo IPパートナーである、マティアス・レスラーは、RWTHアーヘン大学で機械工学を学び、2003年以来、ドイツおよび欧州特許弁理士として従事しています。特に大規模な特許ポートフォリオの管理、特許庁および特許裁判所における二国間の法的有効性手続きに関するアドバイスを行っています。