費用を抑えた欧州出願戦略の最適化
欧州特許出願に掛かる費用
欧州特許の存続期間中には、さまざまな費用が発生します。以下ご参照ください:
- 出願資料作成費用
- 審査請求料(納付金および弁理士料)
- 各国での特許有効化料
- 異議申立手続が開始された場合の防御費用
- 年金
欧州特許を出願した際にかかる費用:出願から登録まで h3>
出願料、調査料に加え、指定料、請求項料(15件以上の特許請求項の場合)、また審査請求料、登録料、公開料も支払わなければなりません。欧州特許出願準備に約5千ユーロ、欧州特許出願手続きには約1万ユーロ掛かると見積もるのが現実的です。
異議申立手続の際の防御費用
異議申立手続きでの防御費用は、実際に特許査定に対して異議が唱えられた場合にのみ発生します。 異議申立手続きに掛かる費用を見積りは、特許の複雑さ、特許への攻撃、および防御の強度に大きく依存するため、非常に困難です。
1万ユーロ以上掛かると見積もるのが現実的です。 特に、これに並行して他の異議申立手続きが係属中である場合、費用はこの金額を大きく上回る可能性があります。 p>
有効化料および年金 h3>
本稿では、欧州特許の有効化手続料および更新料に焦点を当てています。 これらの費用の額は、欧州特許が審査される、つまり登録される国の数に大きく依存します。 将来を見据えて有効化することで、費用の削減が可能です。 p>
各国で特許有効化する際に生じる費用 h3>
有効化手続料の内訳は、弁理士料、納付金そして翻訳料になります。 欧州特許条約の締約国38か国すべての国で有効化する場合の平均的な費用は約5万ユーロです。
20年間の特許存続期間で、欧州特許条約の締約国38か国すべての国で特許権を維持する場合の費用は、約25万ユーロになります。 全てを合計すると30万ユーロに上ります。 p>
費用を抑えた出願戦略 h3>
以上の理由から、所有権保護の意義と費用のバランスが取れている国、そして所有権を得ることに意味がある欧州諸国(生産施設または競合他社の生産施設がある国等)のみで特許を出願するのが有意義であることも多々あります。
もう一つ考慮しなければならないのは、費用がいつ発生するかということです。審査請求料は特許査定時に即発生しますが、年金は特許権存続中、特許期間が切れる直前に発生します。
有効化手続料は低いものの、特許期間の終了間近に発生する年金が高い国では、最初に審査だけ行い、その後、適切な時期、すなわち年金を納付する前に、権利を放棄することも可能です。
ロンドン条約の加盟国である国々では、翻訳料および代理人費用を大幅に削減できるため、有効化料金は安くなります。 p>
国内総生産、人口数と有効化料金との関係 h3>
どの国で有効化するかの判断をする際、各国の有効化料金および年金の額、各国の国内総生産、人口数を考慮に入れるといいでしょう。
たとえば、ドイツを比較の基準とすると、英国、フランス、スペイン、イタリア、ポーランド、トルコは同様の金額であることが分かります。この国々だけでも欧州市場の大部分はカバーされる可能性があるため、まず第一ステップとしてこれらの国で特許出願するのも良い戦略です。上記の国々での20年間の審査請求費用と年金の合計は約5万ユーロです。
アルバニア、スロベニア、フィンランド、バルト三国などの小国は特に、住民1人あたりに対する国民総生産は非常に高いことから、特定の理由がある場合(支店、競合他社がこの国に存在する等)にのみ、これらの国で欧州特許を実際に審査請求、維持することをお勧めしています。 p>
全欧州諸国の年金額
ご要望の際には、欧州各国の年金額をお知らせします。 JustusKreuelsまでご連絡ください。
当所は費用便益を考慮に入れ、クライアントの皆さんのニーズに合わせた、弁理士料金、翻訳料金を含む、すべての費用を算定し、出願戦略を策定します。お気軽にご相談ください。
Justus Kreuels:
karo IPパートナーである、ユストス・クロイエルスはミュンヘン工科大学およびアーヘン工科大学で機械工学を学び、2011年にドイツドイツ弁理士、2012年に欧州弁理士の資格を取得しました。特にドイツにおけるモバイル通信、モノのインターネット(IoT)、ロボット工学分野での知的財産権に関するアドバイスを行っています。