ドイツ特許商標庁における商標登録に関するQ&A
商標とは
商標とは、自社の商品およびサービスを他社のものと識別することを可能にする標識のことで、自社商品やサービスの「品質」や「信用」を消費者にアピールするものです。特定の文字、シンボル、色、図形あるいは音などによって製品を連想させることがその目的です。これらの商標は商品と製造者とを関連づけるだけでなく、特定のイメージや評価にも結び付くことがあります。例えば、口腔衛生商品の製造者は「清々しさ」といったイメージを呼び起こしたり、自動車製造者では「ダイナミズムやスピード感」などのイメージを連想させます。このように、商標は消費者の注意を喚起する目的があるのです。
登録手続き
商標の登録手続きは通常、ドイツ特許商標庁を通じて行われます。商標の優先期間は、登録日から6か月です。商標の登録を可能にするには、商品とサービスの名称を明確にすることが大変重要です。またドイツ特許商標庁では、競合の可能性がある商標の審査は行われません。また登録日は登録書類の受領日となります。
商標登録の要件
商標を保護するには、商品およびサービスと標識との関係が明確でなければならず、「普通名称(取引上の名称)」(例:登録対象商品が「イチゴ」で、「ICHIGO」と出願した場合等)、商品やサービスの質、数量などが含まれるもの、産地を表すもの、あるいは慣用句などは登録することができません。
さらに、市場で自由に使用が可能でなければならないシンボルや文字、紛らわしい内容を含むもの、また消費者が製品の特徴として区別することができないものは登録することができません。
商標の抹消
商標の所有権は10年間に及び、必要に応じて更新することができます。ただし、商標が5年間にわたって使用されていない場合、第三者によって取消し申請を行うことができます。
さらに、商標の登録後、第三者または先願者が異議を申し立てるために3か月の期間が設けられています。異議申立てが認められると、商標の取り消しまたは制限される可能性があります。また、後日確認された絶対的登録要件の欠如により、無効となる可能性もあります。部分的に無効となった場合は、その一部のみが抹消されます。商標所有者は取消請求をすることで、商標権を取消することができます。
Matthias Rößler:
karo IPパートナーである、マティアス・レスラーは、RWTHアーヘン大学で機械工学を学び、2003年以来、ドイツおよび欧州特許弁理士として従事しています。特に大規模な特許ポートフォリオの管理、特許庁および特許裁判所における二国間の法的有効性手続きに関するアドバイスを行っています。