世界中で頻繁に起きている特許侵害
特許侵害とは
特許とは、技術的発明を第三者が不当に使用するのを保護することです。特許付与された発明を第三者が不当に使用した場合、法的手段を行使することはもちろん、侵害者との法廷外交渉も可能です。まず特許侵害の際の管轄裁判所は各国の裁判所となります。ドイツでは州裁判所が管轄裁判所です。特許またはライセンス所有者は基本的に次の権利を有します。
- 権利を侵害する製品の生産停止請求
- 損害賠償請求
- 侵害製品の生産地、流通経路、販路に関する情報、並びにサプライヤーおよび生産数等の情報開示請求
- 侵害製品の回収および廃棄請求
- 判決公表請求
一般的に、特許権者およびライセンス実施権者は損害賠償請求をする際に3つの選択肢があります。侵害当事者が侵害製品により不当に得た利益の返金請求、損失利益の支払請求、そして適切なライセンス料の支払請求です。
法廷外合意
特許権者が自らの発明が第三者によって不当に使用されている事実に気付いた場合、まずは当該侵害に関する意見を求める書面を送ります。この書面には、法的要件はありません。法廷外交渉ではこのように、まずは簡単なコミュニケーションにより解決を図ります。しかし、これが功を奏さなかった場合、民事訴訟として訴えを提起することが可能です。
また、特許権者は不法使用者に対し警告書を送付することができます。警告書は使用者に対し、使用許可の有無を問うのとは異なり、製品生産の停止等、明確な要求を記載することが一般的です。使用者は警告書の受領後、即刻要求を呑むか、不当だとするならば、裁判所に訴えることもできます。警告書の受信者が要求に従う場合、裁判手続きを避けることができます。
しかし、審査過程において警告書が不当であるtことが確認された場合、警告書の受信者は損害賠償請求を特許権者に対して行うことできます。
裁判手続き
特許侵害訴訟になった場合の管轄裁判所は州裁判所になります。手続期間は8〜14か月と比較的短く、コストも比較的低いのが特徴です。特許侵害の証拠提出義務は原告にあり、専門家によって審査されます。 弁護士代理の原則から、遅くともこの時点までに弁護士に相談しておく必要があります。 特許侵害訴訟は特許権者およびライセンス許諾者が訴訟の提起をすることができます。
Matthias Rößler:
karo IPパートナーである、マティアス・レスラーは、RWTHアーヘン大学で機械工学を学び、2003年以来、ドイツおよび欧州特許弁理士として従事しています。特に大規模な特許ポートフォリオの管理、特許庁および特許裁判所における二国間の法的有効性手続きに関するアドバイスを行っています。