模倣品および海賊版
模倣行為とは、著作権または商業財産権(特許、商標、意匠)を故意に侵害し、保護された作品や製品を製造、販売することです。 模倣品・海賊版は、消費財だけでなく資本財にも広がってきています。特に利益率の高い代替部品やその他の部材に重大な被害が広がっています。
模倣品・海賊版による経済的被害
製造業者にとって、商標権と特許権の侵害は、第一に売上と利益の損失につながります。これに、価格の下落、ブランドイメージの喪失、模倣品への製造物責任等のリスクが加わります。 これに対しEuropolは「模倣品や海賊版は、EU諸国への輸入の約5%を占めており、模倣品による相対的な被害は、世界全体の2倍である」とヨーロッパの状況について報告しています。
製品およびブランドの模倣を防止するための予防措置
自社製品およびブランドを模倣から最大限に保護するために、企業は価値連鎖の全体に渡って適切な保護および安全対策を施さなければなりません。 例えばホログラム、透かし、マイクロカラーコード、コーディングシステムなどの技術的な保護手段は、オリジナル製品と模倣品とを区別するのに役立ちます。また法的保護措置は、そもそも偽造・模倣品の流通を阻止します。
税関への申請 (Antrag auf Tätigwerden des Zolls) をすることで偽造・模倣品を税関で差し止めすることもできます。差し止めには、製品および商品が特許または商標によって保護されており、侵害が明白であることが前提条件です。模倣品・海賊版に対するこのような積極的な措置は、ドイツへの輸出入の際に可能です。
弁理士による模倣品対策
弁理士は、製造業者が模倣品・海賊版に対して効率的に対処し、いかに自社製品を守るかアドバイスします。
まず、模倣を阻止するために、当該製品がどの程度保護可能であり、特許、商標、または意匠権を取得するために、どこを、どの程度調整しなければならないか等ご提案します。
また、緊急を要する見本市での一時的な差し止め命令手続き、国境での差し止め手続き、情報開示請求、損害賠償請求、廃棄処分申請等のお手伝いもします。
権利侵害の際の請求
差し止め請求により、権利者は模倣品の今後の製造および流通を禁止することができます。また損害賠償請求をすることで、権利者が被った経済的損失が補償されます。情報開示請求により、模倣品の出所およびその過程に関する情報を請求することができます。そして破棄処分請求をすることで、模倣品・海賊版を破壊し、二度と流通しないようにすることができます。
さらに、国際商工会議所の Initiative BASCAP (模倣と著作権侵害を阻止するためのビジネスアクション)、deutsche Aktionskreis gegen Produkt- und Markenpiraterie e.V.(ドイツ製品・商標模倣品対策グループ) (APM) 等、多くの組織が模倣品対策、著作権侵害の防止に取り組んでいます。
Matthias Rößler:
karo IPパートナーである、マティアス・レスラーは、RWTHアーヘン大学で機械工学を学び、2003年以来、ドイツおよび欧州特許弁理士として従事しています。特に大規模な特許ポートフォリオの管理、特許庁および特許裁判所における二国間の法的有効性手続きに関するアドバイスを行っています。