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Matthias Rößler - 3. June 2020

特許調査

先行技術

先行技術調査は、FOP分析(2019年2月のブログ記事を参照ください)と並び、発明の特許性評価に頻繁に実施される調査です。

特許法上の先行技術調査の対象は、特に特許出願までに一般に知られているすべての技術です。世界で公知でない技術のみに特許付与されるため、特許出願前に先行技術に関する情報を収集することは非常に重要です。 発明が特許出願の時点ですでに先行技術に属すると判明した場合、出願戦略または特許出願準備に決定的な影響を与える可能性があります。

概要の把握

特許公報は、先行技術調査における基盤をなす調査対象です。 世界中で公開されている特許および実用新案に関する情報は、ドイツ特許商標庁(DPMA)および欧州特許庁(EPA)のデータベースで無料で調査できます。

データベースから得られる結果のみならず、専門文献、新聞記事、製品カタログなどの情報は、特許性評価における先行技術評価に大変重要です。

先行技術調査

まずは、いかに関連文献を有意義に制限するかについて考える必要があります。

例えば、ドイツの産業所有権、欧州特許、PCT出願など、国の範囲に応じて調査を制限することできます。 また特定の特許分類(国際特許分類-IPC)を制限することにより、調査を特定の技術分野に制限することもできます。 さらに、特許の有効期間は20年であることから、それを超えた特許については無料で利用できるため、調査を特定の競合他社に制限したり、期間を制限することもできます。

データベースでキーワードを使って検索する際は、スペル、略語、類義語、翻訳などにより、異なる、意図しない結果が生じてしまうことがあることから、完全な調査は難しいこということを理解しなければなりません。

可能な限り正確に先行技術全体を網羅するように、上記の方法を組み合わせて、調査することをお勧めします。

特許調査には経験が必要

広範な調査には非常に時間がかかり、プロセスも目的によって大きく異なります。 当所弁理士は、調査戦略についてもアドバイスいたします。 また、非公式の有料特許および専門家データベースへのアクセスを使用し、結果の分析および評価のサポートもいたします。

先行技術調査の依頼をDPMAに有料で依頼することもできますが、これは特許出願に関連してのみの調査になりますので、ご注意ください。

Matthias Rößler:



karo IPパートナーである、マティアス・レスラーは、RWTHアーヘン大学で機械工学を学び、2003年以来、ドイツおよび欧州特許弁理士として従事しています。特に大規模な特許ポートフォリオの管理、特許庁および特許裁判所における二国間の法的有効性手続きに関するアドバイスを行っています。

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