ハーグ協定
ハーグ協定により、意匠管理はすべて世界知的所有権機関(WIPO)において一元的に処理されるため、意匠の国際出願と登録がより簡素化されました。
出願人はデザイン保護を希望する国を指定し、WIPOへ申請するのみです。出願は、出願人の住所、所在地がある国で行います。
EU、日本、韓国、米国、カナダを含む60以上の締約国が、「意匠の国際登録に関するハーグ協定」(ハーグ協定)に加盟しています。中国など、一部の重要な国はハーグ協定の対象とならないことに留意する必要があります。中国での意匠保護には、中国での意匠登録出願が必要です。
ハーグ協定による意匠登録は、最終的には国の意匠保護権または個々の国内での意匠登録につながります。つまり各国の意匠法が適用されるということです。指定国ごとに異なる問題が発生する可能性があるため、各国の弁理士および弁護士に相談することをお勧めします。
時間とコストの削減
WIPOに意匠登録出願をするだけで、各国の関連官庁に個別に意匠登録する必要がないことから、時間とコストを削減できまます。
意匠権管理もWIPOで一元的に行われていることから、 たとえば意匠権者の変更または意匠権の延長(指定国で5年毎の延長)も、個々の関連官庁に申請する必要がありません。
意匠権を2回目に延長する際は、各国の国内法が適用されることにご留意ください。 ドイツでは、最長25年間の意匠保護を申請することができます。
WIPOとEUIPO どちらで意匠登録出願をするのが有益か
EUを超えた国際的な意匠保護を望む場合は、WIPOでの登録が理想的です。
意匠権者がEUでの保護のみを希望する場合は、EUIPOに出願することもできます。
意匠の国際登録にかかる費用 h3>
WIPO手数料計算ツールで、国際登録の際に発生する費用を概算できます。費用は、どの国で産業製品を登録すか、ハーグ協定締約国のどの国で意匠権が有効であるか、そして一つの出願でいくつの意匠を登録するかによって異なります。原則として、1つの出願で最大100の異なる意匠権を請求することができます。
国によって、登録意匠数に対する費用は大きく異なります。欧州連合では意匠登録手数料は、登録意匠の数に比例して上昇しますが、登録意匠数にかかわらず、一律料金の国も多く存在します。このため、登録の際の戦略が、大幅なコスト削減につながります。
その他の情報 h3>
年々、世界中で製品の模倣品被害が増加していることから、製品の外観(線、色、輪郭、表面など)、つまりデザイン保護がますます重要になってきています。
意匠権保護は、企業の成功、競争力、独創性に非常に重要です。 法的根拠と保護要件の詳細については、ブログ記事「 DPMAでの意匠登録」をご覧ください。 (2018年4月)。
Justus Kreuels:
karo IPパートナーである、ユストス・クロイエルスはミュンヘン工科大学およびアーヘン工科大学で機械工学を学び、2011年にドイツドイツ弁理士、2012年に欧州弁理士の資格を取得しました。特にドイツにおけるモバイル通信、モノのインターネット(IoT)、ロボット工学分野での知的財産権に関するアドバイスを行っています。